この本は大学生の時に古本屋で上下巻200円で購入しました。
内容は恋愛をテーマとしている事でとても感情移入しやすく、
その雰囲気と空間に魅了されたものです。
ただ何よりこの本が印象深いのは、
私に「生きる」という事に対する考え方に多大な影響を与えた本だからです。
私の印象と解釈では、
「自殺はある条件下では肯定されうるものである」という事です。
それまでの私は単純に「自殺」という事に対して、
深く考えることもなく否定的だったのですが、
この本を読んでからは考え方が変わりました。
ただ、「ある条件」という事にはその後も考えさせられたものですが、
結果、導き出された結論は「直子(登場人物)の自殺状況は肯定条件に該当しない」というものでした。
そして、私が考えた唯一の「自殺が肯定される状況」とは、
「人生の結末において自殺を選択することが悲観的要素から導き出された結果ではなく、
また全ての知人の意識の中では幸せに生き続けるという事」です。
これは、「生きる」という意味にも係わるかもしれません。
例えば、私の祖父は既に他界していますが、私の意識の中では今でも生きている気がします。
つまり、人と人がある程度距離を置いていた場合、その死というものに対して、
実感を得るのは難しいという事です。
同様にインターネットなどの情報媒体において、
他界した人の生前の記憶や人生観を残していたものを見れば、
生きていると感じる可能性はあります。
すなわち「意識・意思という観点では、生と死の境界線は曖昧」と言えるかもしれません。
情報化が進むにつれてこの現象は顕著になるかもしれません。
「哲学・真理とは常に進化しているのです。」
あ。最後に忘れずに。。
決して「自殺」を勧める事ではありません。
また、人によっては危険な考え方に思われるかもしれませんが、
深く真剣に考える事によって優しさを得たような感じもします・・・。
めずらしく長々と書きましたが、
今日はこの辺で終わらせて頂きます。。